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【罰則あり】韓国に持ち込めない日本の薬

海外旅行に行く際に、普段使っている市販薬なら何でも持っていっていいと思っていませんか ? 実は持ち込めない薬が多いので、日本から持ち込む医薬品には注意が必要です。今回は『登録販売者』の資格を持ち、薬の販売経験があるうりっぷスタッフが分かりやすく解説します。
近年外国で販売されている風邪薬や鎮痛剤を国内に持ち込み、麻薬の代用品として悪用するケースが増加しているため、特定の麻薬類成分が含まれる医薬品の持ち込みを厳しく制限しています。
麻薬とは無関係に思える日本の一般的な市販薬にも、これらの禁止成分が含まれている場合があるので注意が必要です。
✅【韓国に持ち込み禁止の代表的な成分】
以下4種類の成分は市販薬によく含まれており、韓国への持ち込みが禁止されています。
・アリルイソプロピルアセチル尿素 (鎮痛剤)
・デキストロメトルファン (総合風邪薬・咳止め)
・ジヒドロコデイン (総合風邪薬・咳止め)
・コデイン (総合風邪薬・咳止め)
これらの成分はパッケージの「成分表示欄」から確認することができ、一つでも含まれている場合は韓国への持ち込みができません。

頭痛や生理痛などの際に鎮痛剤を服用される方にとって、旅行中も「痛み止め」は欠かせないアイテムですよね。
ですが、日本で解熱鎮痛剤として使用される「アリルイソプロピルアセチル尿素」が、韓国への持ち込み禁止の成分となりました。
この成分は“催眠・鎮静作用”があるため、2025年4月より「麻薬類成分(全481種)」の一部として規制対象に追加されました。
【韓国に持ち込めない市販薬】
(アリルイソプロピルアセチル尿素を含むもの)
・イブA錠、イブクイック頭痛薬、イブクイック頭痛薬DX、イブA錠EX
・ロキソニンSプレミアム
・バファリンプレミアム
・ノーシンピュア
・新セデス錠、セデスV、セデス・ハイ
・アダムA錠 など
【韓国に持ち込める市販薬】
(アリルイソプロピルアセチル尿素を含まないもの)
・ロキソニンS、ロキソニンSプラス、ロキソニンSクイック、ロキソニンSプレミアムファイン
・イブスリーショットプレミアム
・バファリンA、バファリンルナi、バファリンプレミアムDX
・ナロンエースT など

総合風邪薬や咳止めのほとんどに「デキストロメトルファン」「ジヒドロコデイン」「コデイン」のいずれかが含まれているため、禁止成分が含まれていない市販薬は非常に少ないです。
参考として一例を紹介しますが、挙げたらきりがないほどNGのものが多いので、必ず成分を確認してから購入するようにしてください。(かかりつけの医師や薬局に相談しておくと安心です)
【韓国に持ち込めない市販薬】
(デキストロメトルファンを含むもの)
・メジコンせき止め錠Pro
・パブロンせき止めトリプル錠
・新ルルAゴールドDXα
・新コンタックかぜ総合DX など
(ジヒドロコデインを含むもの)
・パブロンゴールドA、パブロンSゴールドW、パブロンSせき止め
・ベンザブロックL
・新ルルAゴールドs、新ルル-A錠s など
(コデインを含むもの)
・アネトンせき止め錠、アネトンせき止め液 など
【韓国に持ち込める市販薬】
(総合風邪薬)
・ルルアタックFXa
・パイロンPL錠、パイロンPL顆粒
(咳止め)
・ストナ去たんカプセル
・クラシエの漢方「五虎湯」
・クラシエの漢方「麦門冬湯」
禁止成分は咳を鎮める効果が高いため、これらの成分が含まれていない薬だと効果が薄く感じる人もいるかもしれません。
現地の薬剤師に症状を伝えれば適切な薬を選んでもらえるので、韓国の薬局で購入するのも選択肢のひとつです。
※自己判断で市販薬を使用する前に必ず医師や薬剤師に相談し、指示に従うようにしましょう。
該当する禁止品を持ち込んだ場合は韓国の税関にて調査を受けることになり、最悪の場合は取り調べ・処罰対象になる可能性もあります。
万が一「違法薬物」と判断されると、税関で押収されるだけでなく違反履歴が残る可能性もあるため、代替薬を現地で調達するか、最初から持ち込まないようにするなど安全な行動を心がけましょう。
もし、治療のために上記の禁止成分を含む薬を服用している場合は、韓国入国前にオンラインでの届出が必要です。
韓国大使館のウェブサイトに詳細な情報が掲載されています。
→申請はこちらから (韓国語、英語)
日本からの持ち出しにも届出が必要な薬があるため、医師に相談のうえ必要な手続きを行ってください。
ただし「市販薬」の持ち出しや持ち込みは原則として届出の対象外です。