君と私

セウォル号事故の前日を描いた女子高生の青春映画「君と私」

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セウォル号事故の前日を描いた女子高生の青春映画「君と私」

2014年4月に韓国で発生したセウォル号沈没事故を題材にした映画「君と私」が、現在日本でも公開され話題を集めています。

本作は事故を直接描くのではなく、死を目前にした女子高生が過ごす「たった一日」を静かに描くことで、未来を奪われた若者たちの“かけがえのない時間”を浮かび上がらせる青春映画。

物語の中心となるのは、済州島への修学旅行を翌日に控えたセミ (パク・ヘス) と、足を骨折して入院中の親友ハウン (キム・シウン) 。不吉な夢を見たセミは、ずっと伝えられずにいた想いを胸に病院のハウンのもとを訪れます。しかし小さなすれ違いから、互いの本音は届かないまま——。

私たち観客だけが“翌日に何が起きるのか”を知っているからこそ、彼女たちが過ごす一瞬一瞬や、続いていくはずだった日常の尊さが胸に刺さり、切なさが込み上げてくる作品です。さらに、淡くかすんだ映像美と静かな音楽が、青春の儚さと生と死の気配をより深く静かに浮かび上がらせています。

監督は俳優としても活躍するチョ・ヒョンチョル。長編初監督作でありながら、2024年青龍映画賞で最優秀脚本賞・新人監督賞を受賞し、大きな注目を集めています。すでに公開中なので、気になる方はぜひ劇場でご覧ください。

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